渓谷に佇む老舗宿 湯を愛する常連客とともに

地中50mから湧き出る100%天然の単純温泉は低張性弱アルカリ性。この柔らかな湯に親しむ常連客は多い
渓谷をとうとうと流れる白石川のせせらぎ、鳥のさえずり……四季折々に表情を変える小原温泉郷、素朴ながら原風景を色濃く残し、静かに湧き出でる湯を求めて常連客が集う。
400年続くという小原の老舗宿「ホテルいづみや」食事で定評のあるこちらのお宿とご縁あって、プロジェクトのササニシキをご提供いただくことに。現在朝夕の食事にササニシキを提供し、宿泊客にも好評とのこと。ササニシキ100%提供への意向に、長年地場の貴重な資源でもてなしてきた宿の心意気が伺えた。

いづみやの朝ご飯。約65度の源泉で作られた名物の温泉卵と真っ白なササニシキ、相性がいい。味噌汁や漬物、副菜の数々が小鉢に彩りよく並び、ご飯もすすむ
「いづみやさんのご飯はおいしい」宿泊客との会話が始まる朝、おかわりしながらこんなやりとりが嬉しいと、長年切り盛りするスタッフさん。早朝の薄暗い時間から、大きなガス釜で炊かれるいづみやの朝ご飯。精米したての味を提供したいと、玄米の管理も徹底し、炊きたてのご飯が冷めぬよう、客室に運ばれるまでの「おひつ」での保温にも毎日気を配る。
ササニシキを提供し始めると、遠方からの宿泊客からは「この米は?」と尋ねられることが多くなった。ふわっと炊き上げたご飯、口に入れればさらりとほぐれ、しっかり食べて欲しいと調理された副菜の数々ともよく合う。おひつに入れたご飯を完食する宿泊客が多いことが何よりという。
白石川が西から東へと流れるV字の谷間「碧玉渓(へきぎょくけい)」は、かつて「目に小原」と言わしめた温泉郷の渓谷美を今も私たちに見せてくれる。山間の静かな宿で趣くままに過ごす夜、静かに始まる朝、心尽しの料理とともに、白石のササニシキをぜひ味わってほしい。

小原温泉郷にあった「さいかち」の木から名付けられた「さいかちの湯」は一切加水しない源泉かけ流し、日帰り入浴は夜9時まで。宿泊客は24時間入浴可

かつて益岡町の白石城で使用されていた「鯱瓦(しゃちがわら)」が出迎えるいづみや。小原温泉郷、全室が渓流白石川を望む
【ホテルいづみや】
宮城県白石市小原湯元9
0224-29-2221
日帰り入浴は12:00〜21:00まで(内湯、露天風呂あり 入浴料500円)
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