7月中旬 白川にて

伝わった父親の米づくり

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6月初旬の田植えから1か月半が経過した7月中旬。前回の生育調査ではまだ落ち着かない様子の苗だったが、青々と成長した水田を眺め、

「大きくなったよね……」

そんな会話がこぼれるほど、生育ぶりは順調だった。

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溝切り作業、実は良夫さんはあまりやらないという。溝を切らなくても生育に影響はなかったのだろう。6月の生育調査で、溝切りの重要性を指導され、機械を借りたという。良夫さんは正直者だ。後からやってきたお母さん、「普段はやらないのに言われたからって」と。

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ササニシキの田植えは他品種より半月ほど遅いが、米プロジェクトの5人の中でも最後だった良夫さんの圃場。晩期栽培の時期としては理想だった。周辺の他品種の田んぼは随分と成長し、出穂の時期を迎えていた。水が流れる土側溝には生き物たち。梅雨明けぬ7月、蔵王の山並みは雲に隠れ、日が差したり陰ったりを繰り返す。

今回のササニシキプロジェクトの様子を、離れて暮らす家族がネットで見つけたそうで、お母さんはとても喜んでいた。もちろん、良夫さんも。

「米農家の息子だからかなぁ、いろんな産地の米の名前出して、知ってるか?って……」

寡黙ながらいつも前向き。米づくりの苦労は痛いほど経験しても、旨い米を作りたいと田んぼに出る。良夫さんが草刈りする間、お母さんに【畦かえる】をブックマークして見せると、はずかしそうにも嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

「がんばっからね」

蔵王連峰を望む白川で汗を流す良夫さんの姿、家族に届いているはずだ。

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