ササニシキの苗 いよいよ圃場へ

米づくりのプロ、気持ちも新たに今年も始まった
5月というのに朝から強い日差しが照りつける日、市中心部から南に数分の大平(おおだいら)で、村上贇(ただし)さんの田植えが始まった。このプロジェクトのまとめ役を引き受けたベテラン生産者、関係者が見守る中、緊張した面持ちで苗をトラクターに積み始めた。

プロジェクトでは20俵余りの収穫を目指す
米生産一筋 丁寧な仕事

ひと苗ひと苗しっかりと泥の中へ
鏡のように平らに代掻きされた圃場、贇(ただし)さんのトラクターの動きに目を奪われた。丁寧、その一言に尽きる無駄のない動きが、長年の米づくりを物語っているようだ。かたわらで手伝う奥さんも同じ市内、農家の出身。機械がなかった時代、面積は今より狭く、手間と時間は倍以上かかったが、好きな農作業に明け暮れた。実はトラクターを動かすのも好きだったという奥さん、
「けがしてから乗らなくなったんだ」
と、後で贇(ただし)さんが話してくれた。
5、6年前から再び作付け

まっすぐに植えられていく若苗
「あの味が好きで食べたくて、また作り始めたの」
冷害前は当たり前に食べていたササニシキ、しばらく生産はやめていた。久しぶりに食べた時、なんとも言えない懐かしい味だったと奥さん。口に入れるたびに、その素朴でさっぱりとした食感を感じるという。米を購入してくれるお客さんには飲食店でササニシキを提供したり、好んで食べてくれる人も多いのだ。
「白石のササニシキを食べてほしい」
一仕事終えたプロジェクトのまとめ役は、畦に降りると笑顔もほころび、長年米農家として連れ添った妻もねぎらった。

村上さん夫婦 ひと仕事終えて
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