ササニシキの藁 歳神様を迎える門松に【京苑さんを訪ねて】 

年の瀬 作業場は「門松」一色に
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「京苑」(宮城県刈田郡蔵王町)の作業場。凜とした門松が並ぶ光景は貴重な冬の風物詩、圧巻

ササニシキの稲藁を新年の門松に仕立てたいー

秋には棒がけの自然乾燥を検討していた時期、ある庭師さんとのこんなやりとりがあった。かつては米の自然乾燥が主だったため、日常のあらゆる営みに利用された藁。現代、コンバインによる刈り取りが増え、稲藁は手に入りにくい貴重なものとなった。自然乾燥を経て、脱穀され残った稲藁は、長雨の影響を少なからず受けていたものの、その後すぐに庭師の元へ届けられていた。

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手と手でより合わせ藁を綯(な)う京苑の鈴木北斗さん

ササニシキの稲藁は、宮城県刈田郡蔵王町宮にある「京苑」へ。昭和54年から40年近くにわたり造園業を営み、毎年一年の最後は県内各地で正月に飾られる「門松」づくりに追われるという。二代目の鈴木北斗さん(40)と職人さんたちの協力で、ササニシキの稲藁が新春の門松に生まれ変わる。作業場を訪れたこの日は、最後の追い込み時期を迎えた門松のご祈祷の日でもあった。

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土台の化粧に整える前にすぐられた藁。通常手がける門松には「こも」を巻くが、ササニシキの門松はまず藁をすぐり、小束に整えられ、長さを調整しながら仕立てられていった

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門松の主役は、松。京苑さんでは昔から「黒松」を縁起物として使ってきた

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完成した土台部分。「こも」を巻いた門松の立ち姿も素晴らしいが、職人さんの手作業の柔らかさが藁の毛束に表れた。京苑さんが手がける「ササニシキの門松」がいよいよ完成する

歳神様が家を訪れるための「依り代」

歳神様を家にお迎えし祝う行事である「正月」。家族の健康や五穀繁盛に、歳神様を迎える正月飾りが根付いてきた日本文化の中で、門松は最も重要な正月飾りといわれる。正月飾りといえば、「しめ飾り」、「鏡餅」、そして「門松」だろう。

「門松は使う材料や完成した形にも地域性が出る」と鈴木さん。その地域の風土が見えるということだ。歳神様を迎えるための目印として、日本では平安時代から縁起の良い松を家に持ち帰る風習が広まりはじめたという。古来からのしきたりを重んじながら、自然の産物を扱う庭師としての個性も、「縁起物」を頭の片隅に門松に表現する。竹の先端部分の「そぎ」に竹の節を残した京苑の門松、水引は「日の出結び」。完成し一堂に並ぶその姿は、言われた通り、まさに人の笑顔であった。

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門松のご祈祷 日を選び納品へ

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今年も真新しい松や竹で仕立てられ、南天などの縁起物が飾られる門松、その数は100対(200本)以上。門松づくりのベテラン助っ人も心強い大詰めの年の瀬、歳神様をお迎えするための門松は、その完成分に限らず、使用する材料のすべてが白石神明社禰宜の佐藤様によって祓われた。「京苑」で作られた見事な門松は、「松の内」にあたる年末、28日までに各地へ届けられる。宮城白石産ササニシキの稲藁で仕立てられる門松は2対(4本)、まもなく新春の準備に追われる市内の2か所へ届けられる。

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白石神明社様による門松のご祈祷。新春を迎えるにあたり無事飾られ、歳神様を迎える人々のご多幸を願う

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門松に使われる材料のすべてが丁寧に祓われた

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ご祈祷を終えて。京苑の皆さんと白石神明社さん

【有限会社 京苑】

宮城県刈田郡蔵王町宮字古川105

0224-32-2172

http://www.kyouen.com

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