いちずにササニシキを【白石市中町 政寿司さんを訪ねて】

県内産のササニシキを握り続けて

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ササニシキは寿司のネタとも相性がいい。取材を進める中、市内にはその良さを知り長年ササニシキを提供する寿司屋さんがあると聞いていた。訪れたのは、親子三代続く白石市中町の「政寿司(まさずし)」さん。ご主人の政勝さんと息子の圭介さんが笑顔で出迎えてくれた。

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「政」の字は、先代の祖父母の名前から。海から離れた山間部の白石で、地域の寿司屋として多くの人をもてなし親しまれてきた店。孫にあたる圭介さんは割烹料理店で修行したのち、その意志を継いで故郷へ戻る。カウンターで寿司を握る父を厨房から支える日々、ササニシキにこだわってきた祖父や父の思いに、米づくりの現場をもっと知りたいと生産地へ出向くようになった。現在、県北の登米市の契約農家から仕入れ、低温管理された米の鮮度を第一にお客様へ。足を運んで米を知ることが、食べてくれる人へのもてなしにもなる。

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地元産ササニシキ、信頼できる生産者との出会い

平成5年の大冷害以降は作付けが激減し、流通量もわずかだった時代、寿司屋としてササを確保するのに苦労した。それでもなんとか求めたのは、粘りが少なく口の中でほどけ、何より魚介類のネタとの相性がいいのがササニシキだから。実はプロジェクトの生産者の一人が手がけるササニシキをこの数年提供している。市内でも作られていることを聞きつけ、出会った米と生産者。全ての米とはいかないが、貴重な地元産を使う意義は大きかったに違いない。

素早く手際のいいご主人の手の動きを眺めながら、真っ白で艶やかなしゃり玉を口に入れた瞬間、一気にほどけ、口一杯に広がった。握られたササニシキがこんなに美味しいとは。ネタが乗った寿司は言うまでもない。生産者の顔、握る人の顔が見えればなおのこと、風土が育んだ食材と地域に根付いた寿司屋の味、多くの人に頬張ってほしいと思った。

蔵王山麓から流れ込む冷たい水で育まれた食材に、穏やかで温かな人情が添えられたササニシキの寿司。暖簾をくぐれば、美味しい酒の数々とともに、笑顔が出迎えてくれるだろう。

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【政寿司】

宮城県白石市中町28-4

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